冷気を帯びた空気を感じながら、
階段を下るとアスファルトの地面が迎えた。
先ほど聴いていたシャンソンの音楽のせいからか、どうも白いアスファルトからは、
天国の香りがして仕様が無かった。
寒気がした。
薄手の黒いコート、ワラビーを履いていた。
頬が赤くなっている気がした。
気がつくと私は四方をコンクリートで固められた密室空間にいた。ローランドカークを連想させるSMの世界だ。
椅子に座らされて全身を拘束されていた。革での拘束ベルトにより、指の自由すらも効かなかった。首筋から血が滴り、白いシャツが赤黒く染まっていた。